<どんな病気でしょうか?>
がんが胃の粘膜、もしくは粘膜下層にとどまっているものを早期胃がんといいます。この段階では無症状ですが、X線検査や内視鏡検査などによって発見できれば根治が可能です。進行すると、みぞおちの痛み・不快感、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、吐き気・嘔吐(おうと)、吐血(とけつ)、下血(げけつ)、貧血、全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん)、食欲不振、体重減少などの症状がみられます。ただし、いずれも胃がん特有の症状ではありません。
細胞や組織の特徴によって予後は大きく異なり、きわめて進行の速いスキルス胃がんと呼ばれるタイプのものがあります。これは、ふつうの胃がんのように粘膜に腫瘤(しゅりゅう)(かたまり)をつくらず、硬い線維組織をつくりながら、胃壁全体に広がります。悪性で腹膜への転移をおこしやすいため、治療も難しくなります。
胃がんについては、いろいろな関連要因がわかってきています。どのような地域・国に多いのか、という疫学調査から、塩分の多い食事、熱い食べ物が関係しているのではないかと考えられています。喫煙や過剰な飲酒も誘因の一つと考えられています。
また、胃炎をおこすと胃粘膜が腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)と呼ばれる粘膜に置き換わります。この粘膜ががん化しやすいとされています。胃潰瘍(かいよう)と関係が深い細菌のヘリコバクター・ピロリが、胃がんにも関係している可能性も強くなってきました。現在、精力的に研究が進められているところです。
胃がんは日本人に多いがんです。がんによる死亡を臓器別で比べると、男性では肺がんに次いで多く、女性ではもっとも多くなっています。発症は40歳から増加し始め、60歳代になると急増します。