◆がんの進行度などに応じて手術法が決まる
がんを早期に発見して、手術によって切除することがもっとも確実な治療法です。がんが粘膜と粘膜下層にとどまっている早期胃がんでは、内視鏡的粘膜切除術を行います。
進行がんでは、がんの発生場所とリンパ節転移の有無に応じて、切除する胃の範囲やリンパ節まで取り除くリンパ節郭清術を行うかどうかが決定されます。
リンパ節郭清術については、欧米の研究者とわが国の研究者の間で意見が分かれていますが、手術手技の差(わが国の外科医のほうが明らかにすぐれていると考えられます)もあり、現在のところは結論が出ていません。したがって、外科医の臨床経験を頼りに、説明を十分聞いたうえで手術の方法を決定するとよいでしょう。
◆化学療法と放射線療法の併用も
化学療法と放射線療法の併用による手術後の補助療法は、再発率を下げ、生存期間を延長するとの報告があります。体力的に可能であれば、行ってもよいでしょう。
遠隔転移などで手術の適応がない場合、放射線療法と抗がん剤の5-FU(フルオロウラシル)の内服でわずかながら効果があったとの報告があります。また、多剤併用の化学療法では、まったく化学療法を行わなかった患者さんと比べ生存期間が長かったとの報告があります。
ただ、副作用の強さと、生活の質(QOL)をどうバランスをとるかは医師との十分なコミュニケーションが必要でしょう。ただし、化学療法に延命効果があるかどうかはわかっていません。
◆症状をやわらげることを目的とした緩和治療もある
万が一、がんを手術で摘出したり、放射線や薬で死滅させることが不可能と判断されたとしても、患者さんのさまざまな症状をやわらげるための治療が積極的に行われます。
たとえば、痛みをやわらげるためのモルヒネ、全身倦怠感をやわらげるための副腎皮質ステロイド薬などです。患者さんの延命を目的とはしない、このような症状緩和を目的とした治療を緩和治療といいます。